アメリカや日本をはじめ、世界中でADHDと診断される子どもがここ20~30年で急激に増えてきています。
1980年代には、ADHDと診断される子どもは20人に1人程度でしたが、現在は10人に1人がADHDと診断されています。
なぜこの20、30年の間にADHDと診断される子どもの数が2倍にもなったのでしょうか?
この話題はアメリカの様々なメディアや研究機関で取り扱われ議論を起きました。
今回はADHDの子どもが増加した理由にいてお伝えしていきます。
インターネットの普及
ここ20、30年の社会の変化にインターネットの普及があります。インターネットが普及したことでADHDの認知が高まりました。
現在はこのサイトでもそうですが、インターネット上で簡単な自己チェックができるようになり、ADHDについて個人で調べられるようになりました。
これにより多く人がADHDを知るきっかけになり、さらに親御さんがお子さん の様子に気づけるようになり、診断を受ける人自体が増えたということが考えられます。
アメリカの診断方法が広まっている
アメリカではDMS(精神障害の診断と統計マニュアル)という診断システムを使ってADHDの診断を行いますが、他の国ではこれまでICD(国際疾病分類)を使用するのが一般的でした。
こちらはADHDの定義がDMSよりも幅が狭いためADHDと診断される人の人数は自然と少なくなります。
しかし、ここ数年で国際的にDMSが使用されるようなり、アメリカの診断方法が広がり、ADHDと診断される人の数が増えたと考えられます。
日本でも現在DMSが使用されています。
アメリカの精神医学の影響
アメリカのADHDの診断を行う精神科医達は生物学的治療を基本に治療を行います。生物学的治療は薬による治療です。
他の国ではセラピーを中心に食事療法を取り入れた治療などを行っているのですが、発達障害に関して研究はアメリカが世界的にも進んでおり、日本を含めて他国から多くの医師がアメリカへ勉強のために訪れるようになりました。
そこでアメリカの影響を受け、生物学的治療が広まっています。
製薬会社による意図的なマーケティング
表立っては語られない、医療業界の裏側でもあります。
製薬会社は薬による売上を上げるため、広告会社を使って医療業界や消費者である患者に宣伝をして、薬を知ってもらい、使ってもらうようにアプローチをしています。
薬はできるだけ使わない方がいいのではと思っている方もいるかと思いますが、製薬会社も企業の一つであり、利益を上げることで会社が成り立っています。
製薬会社にとってはできるだけ多く人に薬を使ってもらうことも目的の一つです。
そういった一面もあるということを知った上で私達は薬の処方を受けなくてはなりません。
またロビー活動といって個人または団体が政府の政策に影響を及ぼすことを目的として行う私的な政治活動があります。
製薬会社は世界中でロビー活動を行い、特にイタリア、フランスでADHDの治療に使用される興奮剤などの薬の販売に対する制限を政府になくさせることに成功したといいます。
つまり、薬を処方するために、ADHDと診断され子どもが増えたということになります。
ADHDに支援団体の広まり
現在ADHDをはじめ、発達障害の支援団体を増えてきています。
当初はアメリカにしかありませんでしたが、徐々に世界各地に広まっていき、ヨーロッパや南アメリカそして、日本にも支援団体が数多く設立されました。
支援団体では、ADHDの人への手助けや情報提供、催しなどを行っています。
同じ悩みを抱える人達と交流できる場として大きなや役割を果たしています。
いかがでしたか?
これらの理由からADHDと診断される子ども達が増えていると考えられます。
日本の教育現場において、ADHDの子どもはこれからも増え続けると見込まれています。
ADHDとして生まれてくる子が増えているというよりは、定義や診断基準の変化、社会的認知度の増加が原因と考えられます。
それでは!