お子さんの様子を見ていて、もしかしたらうちの子はADHDなのでは?と心配されている親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
ADHDは注意欠如多動性障害と呼ばれ、発達障害の1つです。
他の子と発育の様子が違う、しっかり育てているのにも関わらず、我が子に対して育てにくさを感じてしまう場合、それは発達障害によるものかもしれません。
ADHDにはどのような特徴があるのか、まずは家庭でも簡単に診断チェックができるよう特徴を見ていきましょう。
目次
ADHD(注意欠如多動性障害)とは?
ADHDは注意欠如多動性障害と呼ばれ、大きく分けて「不注意優勢型」と、「多動性・衝動性優勢型」の2つのタイプに分けられています。
注意散漫でうっかりミスが多いのが、不注意優位性型。
落ち着きがなくいつもそわそわしていたり、気に入らないことがあると激しく泣いたり、切れてしまう行動が見られる子は多動性・衝動性優勢型。
というとイメージしやすいかと思います。
ADHDは人口の10〜15%いると報告されています。つまり10人に1人の割合で発症しており、とても身近な障害なのです。
ADHDは生まれ持った脳の先天性の障害で、大人になっても完治することはありません。発症は遺伝も大きく関係していることがわかっています。
ADHD(注意欠如多動性障害)の特徴〜診断チェックポイント〜
不注意優勢型と多動性・衝動性優勢型の特徴です。
不注意優勢型の特徴
□ 忘れ物を良くする
□ ケアレスミスが多い
□ 集中力が低い
□ 興味関心のあることに関しての集中力は高い
□ 整理が苦手、部屋がぐちゃぐちゃ
□ スケジュール管理が苦手
□ ぼーっとしていることが多い
□ いつも考えごとしている
多動性・衝動性優勢型の特徴
□ 元気がよくアクティブ
□ そわそわして落ち着きがない
□ 話しすぎておしゃべり
□ 相手の話を聞けない、割り込む
□ 待つのが苦手
□ 他人のものをとってしまう
□ 気に入らないことがあると乱暴になることがある
どちらかの特徴が強く出る場合と、または両方の特徴が合わさって見られる場合があります。
両方の特徴が見られる場合はADHDの中でも混合型と呼ばれています。
また、特徴は一人一人違いがあり、すべての項目が当てはまるわけではありません。
自閉症スペクトラムやLD(学習障害)などの他の発達障害を併せ持っている場合もあり、症状の組み合わせは個人によって様々です。
当てはまるポイントがいくつか見られるようでしたら専門の医療機関を受診することをおすすめします。
ADHDの子に見られる才能!
先ほどもお伝えしましたが、ADHDは先天的な脳のつくりの違いによる障害です。
神経回路に異常が見られているのですが、似たようなマイナスの特徴があるということは、逆に似たようなプラスの特徴もあるということです。
ADHDの子には次のような特有の魅力や才能があります。
□ 頭の回転が早い
□ チェレンジ精神旺盛
□ アグレッシブであり、エネルギッシュ
□ 好奇心旺盛
□ 行動力がある
□ 楽しくて面白い
□ 同時に複数のことができる
□ コミュニケーション能力が高い
□ リーダーシップがある
□ 型にはまらない
ADHDの子は活発でユーモアがある子が多いのでクラスの人気者になることがあります。
また、ADHDの子は多動と言われますが、脳内も常に忙しく動いています。
脳も多動なのです。
いつも考えごとをしていて一見、ぼーっとしているように見えるのですが、この特性は頭の回転が早く、物事をテキパキこなす一面も同時に持ち合わせています。
大人になってから、仕事の処理速度が早い人も多く見受けられます。
斬新なアイディア・想像力を発揮するADHD
ADHDの人は型にはまるのを嫌う傾向があるため、この才能を活かすことで、斬新なアイディアを生み出し、創造力を発揮し、クリエイターやデザイナー、起業家として活躍している人もいます。
世界で活躍している有名人も発達障害の人が多くいます。
ADHDでは
ハリウッド俳優のウィル・スミス
ワン・ダイレクション元メンバーのゼイン・マリク
水泳でオリンピック金メダリストのマイケル・フェルプス
などが自身で公表しています。
発達障害を認めることで先に進めることも
ADHDとお子さんが診断され、認められない。認めたくない。と思っている親御さんもいることと思います。
どうしてうちの子が。発達障害なわけがない。
そんな思いを抱えながら、日々の葛藤の中、生活を送られて辛い思いをしていらっしゃる親御さんも多くいることでしょう。
ただ、認めることで先に進めることもできます。
発達障害は子どものころから必要な支援を受けることが大切です。
早い段階から支援を受けることで症状が軽減したり、行動や感情のコントロールができるようになります。
いかに早い段階で、支援やサポートを受けられるかで、学童期やその後大人になってからのお子さん自身そして、親御さんも生きやすさが変わってくるのです。
苦手な面は長い目で見て繰り返し練習していき、得意な分野を伸ばしてあげれば、お子さんの未来が変わります。
型にはまれない発達障害の子どもたちは大人になるにつれて、どんどん生きにくさを感じてしまいます。
年頃になると、二次障害で精神疾患に繋がってしまう例もあります。
日本ではまだまだ発達障害への認識が薄く、発達障害の子どもへの教育や支援が充分ではありません。
先進国と比べても遅れています。
私たち親子が住むサンフランシスコはアメリカの中でも支援が進んでいますが、日本でもまだ充分でないにしろ、発達障害の子どもたちに対しての支援が増えつつあります。
公共の機関はもちろん、発達障害の子どもたちのための支援を行っている企業もあります。
親子二人三脚で今できることから、勇気を出して少しずつはじめて見られてはいかがでしょうか。
それでは!
お子さんが発達障害かもしれないと疑ったら、行動したいことついてはこちらの記事をご覧ください。(日本での対応)
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