ADHDの特徴や症状、診断チェックなどを見ていて、あてはまらない項目があるとうちの子はやっぱりADHDではないのかなと思ってしまう親御さんもいらっしゃるかと思います。
しかし、症状にも個人差がありますので当てはまらない項目があってもADHDである可能性があります。
そこで今回はADHDの誤解されやすい点や誤った認識についてお伝えしていきます。
目次
ADHDの誤解されやすい点
ADHDについては誤って社会に広まってしまい、誤解されてしまっている点があります。今回は5つにまとめましたので、1つずつ見ていきましょう。
1)テストや学校の成績がいい子はADHDではない
特殊教育について研究しているラトガース大学院教育学部の教授補佐ジューディス・ハリソン氏は学校成績が良いというだけではADHDではないという判断にはならないと言います。
学校の勉強のできるできないは、ADHDだからというわけではなく、個人差の問題です。
ADHDの子どもは頭の回転が早いですから、処理速度も比較的早く、勉強が得意な子もいます。
勉強はできる一方で部屋の片づけはできないADHDの子の例も見られます。
2)ADHDは成長とともに消えていく
ADHDなどの発達障害は先天性の障害のため、時間の経過や成長と共に自然と消えるということはありません。
お子さんによっては症状が成長と共に軽くなったように見える子もいるかもれませんが、完全になくなったわけではないので、根本的な解決にはなっていません。
例えば、多動性に関しては年齢と共に落ち着いてくる傾向があるため、走り回ったり、暴れていた子が落ち着くと一見、症状がなくなったかのように見えるのですが、注意欠如の特徴はそのままであったりということもしばしば見られます。
成長とともに完全に消えるということはないので、お子さんにあった支援を受けることはとても大切になってきます。
3)ADHDの子どもたちは同じサポートを求めている
サポートはお子さん、個人個人に合わせて必要なものを与えていくべきです。
ですから同じ発達障害であってもサポートが同じということはありえないですし、学校側も個人にあわせたサポートをしていくべきだとアメリカの教育省も方針を打ち出しています。
例えば、テストを行う際は、ある子には他の子よりも長い時間を与える必要があったり、選択肢の問題に苦労する子にはテストの形式を変えてあげることが大切かもしれません。
4)女の子はADHDにならない
これは誤って広まってしまった情報です。
教育関係者の中で特に広まってしまったようですが、女の子でもADHDの子はもちろんいます。
ただ、同じADHDでも多動性・衝動性優勢型ではなく、不注意優勢型の女の子が見落とされてしまいがちです。
よくぼーっとしていて、忘れっぽかったり、片付けられなかったり、作業を最後まで終わらせられなかったりという子です。
女の子の場合は器用な面もあり、こういった症状を隠そうとする傾向があります。
そのため、周りからもADHDであることに気づかないケースがよくあります。
5)集中力がない
ADHDの子はいつも集中力がないわけではありません。興味の向かないことに対して気が散漫してしまったり、相手の話を聞いていることが難しくなってしまうんです。
一方で興味を持ったことにはすごい集中力を発揮します。
時間も忘れて、時にはご飯を食べることも忘れて没頭してしまうこともあります。
ですのでADHDの子が集中できていない時は興味関心の向かないことである可能性が高いです。
いかがでしたか?
ADHDの誤解されやすい点について挙げてみましたが、発達障害について知る際は、一つの情報源に絞らず、情報収集をすることも大切ですね。
それでは!