サンフランシスコにある、私立の学校、Alt School(オルトスクール)。
元Googleの社員が創立し、シリコンバレーでも創立当初から注目を集めた学校です。
マイクロスクールとして、独自の教育スタイルを持つ、Alt Schoolとはどのような学校なのでしょうか。
今回はサンフランシスコ発のAlt Schoolについて紹介します。
Alt School(オルトスクール)とは?
https://www.sfgate.com/education/article/AltSchool-gets-33-million-in-venture-capital-5327204.php
サンフランシスコで2013年に創立。
元GoogleのエンジニアMax Ventilla氏が創立した私学のマイクロスクールです。
マイクロスクールとは、生徒の人数が100名前後の小規模な学校で、かつ異なる年齢の子どもたちが自身の学習進捗に合わせ、同じ教室で学ぶスタイルです。
創立のきっかけは子どもの学校選びの経験から
Max Ventilla氏は自身の子どものプリスクール(日本でいう、2〜5歳の子が通う幼稚園)を探している時に、自分が何十年も前に通っていた学校とほとんど変わっていないことに気づきました。
時代の変化に教育が追いつけていない。
もっと今の時代にあった教育にするべきではないか?
子どもの学校選びをきっかけに、2013年にAlt Schoolの第1校を創立。
Googleでの経験と最新テクノロジーを教育現場に導入したモデルは、新しい形の教育方法として注目されました。
2015年にはFacebook創設者のマーク・ザッカーバーグ氏が筆頭出資者として知られており、その額は1億ドル。
その他にも、シリコンバレーの投資機関からも注目をされています。
現在は4校あり、
- サンフランシスコのフォートメイソン校、ヤーバブエナ校
- ニューヨークのブルックリンハイツ校、ユニオンスクエア校
があります。
基本的には4歳児から14歳まで(保育園児から中学生まで)を受け入れています。
Alt Schoolの特徴
カリキュラムがなく、子どもたちの興味の持った分野の学びを深めていくスタイルです。
個人に合わせたプログラムが組まれており、学習方法には、「自分で課題を見つけ、調べ、クラスのみんなへ発表する」という形が取り入れられています。
教えるのではなく、考えさせることを推奨しているのだそうです。
学校には、体育館やカフェテリアがなく、街全体が学びの場としており、体育は街の公園で行ったり、週に1度は、美術館や博物館などに出かけ体験授業を行っています。
その他にも地域の起業家やアーティストを招いての、授業もあります。
学校にはチャイムがなく、従来の学校と比べ、時間に縛らせず、リラックスした雰囲気で生活しています。
また、通知表もなく、もし遅刻しても叱らずにというのがAlt School流です。
学費は年間約300万ほどで、高いのですが、人気の学校です。
教師とエンジニアがコラボチームとなり運営
Alt Schoolは150人のスタッフのうち、50人以上のエンジニアが在籍しており、教師とエンジニアでチームが形成されています。
エンジニアは、個別のプログラムのための多数の独自アプリを開発したり、子どもたちの学習や行動の分析などを行っています。
これまで教師1人で行っていたことを、エンジニアが入ることでサポート体制がより強化されました。
Alt Schoolのエンジニアは、AppleやUber、Googleなどの企業出身者たちで組まれています。
教室にはカメラがついており、エンジニアはカメラからの映像情報も含めて、解析を行っているということです。
AltSchoolは小さなR&Dラボ(研究開発ラボ)といわれており、教師とエンジニアが一緒になり、これからの学校のあり方をつくりだそうとしています。
教師とエンジニアによる教育システムはこれから他のマイクロスクールでも広げていくことを構想しています。
すでにアメリカの3校の学校でAltSchoolのシステムやアプリが導入されています。
これからの学校教育はこれまでの一貫したものではなく、時代の変化とともに、様々な形の学校が登場することでしょう。
AltSchoolが創立されて5年。今後にも注目です。
それでは!