米子ども向け教育番組『セサミストリート』には4歳の自閉症の女の子のキャクターが登場します。
名前は「ジュリア」。2017年の自閉症啓発月間である4月に番組デビューを果たしました。
ジュリアは『セサミストリート』が誕生してから初めての障害持ったキャラクターとして注目を集めています。
今回は、ジュリアはどんな女の子なのか、誕生秘話や製作者のメッセージを紹介します。
社会問題にも目を向けてきたセサミストリート
『セサミストリート』は、「子どもは社会全体の宝」「子どもたちの可能性がすべてに優先する」という理想のもと、子育て支援や教育に関する啓発・意識改革を行っていくことを目的に、米国でつくられた子ども向け教育番組です。
セサミストリートはニューヨーク州マンハッタンの架空ストリートが舞台とされています。
これまで、子ども番組ではあるものの、現在起きている社会問題にも目を向けキャラクターを通じて分かりやすく子ども達に伝えてきました。
自閉症のジュリアはどんな女の子?
ジュリアは自閉症で特にコミュニケーションが苦手な女の子という設定です。
友達から話かけられても無視したと勘違いされてしまったり、返事に少し時間がかかってしまったり。
他にも手をパタパタさせる仕ぐさや敏感で音が人よりも大きく聞こえてしまって少しパニックになったりと、自閉症の人の悩みや特徴を表現しています。
製作者たちが込めた想い
ジュリアのマペット操作と声の演出を務めているステイシー・ゴードンさんは、実は自閉症の息子をもつ母親です。
息子の友人たちが、テレビを通して息子と同じような行動をするキャラクターを知っていたら、学校で息子の行動を目にしても、驚かなかったかもしれません。
それに、遊ぶ時には息子はみんなと違う行動をすることも知っていて、それでいいんだと考えてくれたかもしれません。とインタビューで話しています。
ジュリアを通してより多くの子ども達に自閉症について知ってもらえたらという願いが込められています。
ステイシー・ゴードンさんだけでなく、ジュリアの演出には専属の児童心理学者が監修を務めているそうです。
セサミストリートの作家、クリスティーヌ・フェラロ氏もジュリアを通して、子ども達が自閉症児をよりよく理解できるようになることを期待している。と話します。
エルモやビックバードをはじめとした、キャラクターたちがジュリアとの上手な関わり方をメッセージとともに伝えてくれています。
アメリカではジュリアの登場がSNS上でも大きく取り上げられ、話題を集めました。
社会問題を取り入れた設定が大きな反響となりました。
日本では発達障害についてまだまだ社会的に知られていない部分が多いと思います。発達障害への理解が広がり、みんなと違くていいんだという認識が広がることを願っています。
それでは!
【セサミストリートと自閉症(Sesame Street and Autism)」】
セサミストリーと自閉症についてエルモやジュリアが紹介しているサイトです。
子ども向け動画と親向け動画に分かれており、自閉症について紹介しています。
音声が出るオンラインブックもあります。すべて英語ですが、参考にご紹介します。
自閉症についての詳しい記事はこちら
子どもの発達障害「自閉症診断チェック」