ギフテッドいわゆる優れた才能を持つ子どもを育てる上で、親はどんな心がけが必要となってくるのでしょうか。
発達の凸凹、社会生活など、ギフテッドの子どもはさまざまな問題を抱えていることがあります。
イギリスの科学誌「ネイチャー(Nature)」に掲載された「天才児の育て方」という記事で、ヴァンダービルト大学の研究者カミラ・ベンボウは、親の心がけとして8ヵ条を推奨しています。
今回は「ネイチャー」で紹介された天才児の育て方”親の心がけ8ヵ条”についてご紹介します。
Nature「天才児の育て方」
45年以上5000人以上の天才たちを追跡調査
ヴァンダービルト大学の研究者カミラ・ベンボウは45年以上という長期にわたって5000人以上の天才たちを追跡調査した研究「Study of Mathematically Precocious Youth(SMPY)」に1976年から携わってきました。
どうすれば才能を持った子どもを見つけ出し、その才能を開花することができるのか。
長年ベンボウが向き合ってきた研究のテーマです。
天才児の育て方”親の心がけ8ヵ条”
では早速、天才児の育て方”親の心がけ8ヵ条”について見ていきましょう。
- 子どもに多種多様な経験をさせる。
- 子どもが強い興味や才能を示したとき、それを伸ばすチャンスや機会を与える。
- 知的な欲求と心の欲求の両方をサポートする。
- 能力ではなく努力をほめる。つねに自分を高める努力をするような心構えを子どもに身につけさせる。努力をほめることで成長過程の大切さを学ぶ。
- 子どもが知的リスクをおかすことを奨励する。子どもが失敗することに否定的にならず、失敗から学べるようにする。
- レッテル貼りに気をつける。子どもに「天才児」のレッテルを貼ると、それが子どもの心の負担になる可能性がある。
- 教師と協力して、子どもの欲求を満たせるようにする。頭のいい生徒は、「レベルの高い課題」「特別な学習支援」「自分のペースで学習する自由」を必要としている。
- 子どもに知能テストを受けさせる。テストの成績が良ければ、子どもにレベルの高い勉強をさせたいと申し出るときの根拠となる。また、テストを受けることで、失読症やADHD、社会性や心の問題が明らかになることもある。
ギフテッドの子どもにも心のケアは必須
能力を伸ばす環境を用意することはもちろんですが、一方で心のケアも必要となってきます。
失敗を恐れないようにではなく、失敗から学べることがあるということを気づかせたり。
天才というレッテルで子どもの心にプレッシャーをかけないようにしたり。
知能テストを受ける中で、ADHD、アスペルガー症候群などの発達障害を併せ持っていることを知り、こちらのケアも同時に必要となることもあります。
ギフテッドは知能指数、精神年齢が周りの子どもたちと比べて非常に高いことから、子どもながらに自分はみんなと違うということを理解しています。
そこに不安を感じる子どももいます。 才能を伸ばす環境とプラスして心のケアは必須なのです。
天才に育てよう!と親が義務感に駆られるよりも、子どもが自ら、才能を伸ばそうと楽しみながら学べる環境を用意できることが大切です。
子どもがそうしたいと自ら願い、それを実現できるようサポートすることが親にできることなのかもしれませんね。
それでは!
アメリカのギフテッド教育についての詳しい記事はこちら
アメリカギフテッド教育の種類〜4つの教育形態〜