フロリダ州ジャクソンビルに暮らす10歳のアスペルガーアティストのカレブ・ブラウンくん。
今回はアメリカの2E(twice-exceptional)のギフテッド、カレブ・ブラウンくんがいじめを経験したのち、わずか10歳にして絵本を出版したエピソードについてお伝えしていきます。
親子で歩んだ絵本出版までの道のりとはどのようなものだったのでしょうか?
では、さっそくみていきましょう。
変わった習慣と流暢な言葉遣い
カレブくんは幼い頃はどんな子だったのでしょうか?
カレブくんは赤ちゃんの頃、ハイハイや普通に歩くことをしなかったといいます。では、どうしていたかというとひじを滑らせて移動していたというのです。
一風変わった習慣としては、靴下を枕の下に隠すという習慣がありました。
そしてシリアルを食べるときミルクに浸っていると嫌がって食べないというこだわりを持っていたといいます。
また、アスペルガーの子どもに見られる大きな特徴の1つである、語彙が豊富で大人のような言葉遣いで流暢に話すという特徴が見られました。
そんな様子を見てカレブくんのお母さんはカレブくんが3歳の時に病院へ連れて行きました。 そして、そこでアスペルガー症候群であると診断されました。
学校でのいじめからホームスクラーへ
http://jacksonville.com/news/health-and-fitness/2012-05-15/story/jacksonville-boy-aspergers-syndrome-displays-creativity
学校ではこういったカレブくんを見て、周りの子どもたちは変わってるといって仲間はずれにしました。
次第に、クラスの子に悪口を言われるようになります。
それに対してはおかしいと思うんだけど、その内容は本当のことでみんなに変わってると言われると、言い返せないんだ。
と当時カレブくんは話していたといいます。
小学校低学年で、彼は学校へ行きにくさを持つようになり、それからはホームスクーラーとして家で学ぶようになりました。
ユニークな絵でクリエイティビティを開花!
http://jacksonville.com/news/health-and-fitness/2012-05-15/story/jacksonville-boy-aspergers-syndrome-displays-creativity
ホームスクラーになったことがきっかけで、絵を描くのが大好きだったカレブくんはさらに絵を描くようになります。
カレブくんの絵はとてもユニークです。 レモネードの海、ブロッコリーの悪魔、怠け者の巨大ゾンビエイリアン、ベーコンが降ってくる空など独自の世界を創り出します。
絵を描く時は決まってクレヨンを使います。カレブくんはクレヨンが減っていくのを見るのが好きなんだそうです。
どうして絵を描くのか聞くと、初めはただ面白い絵を描くのが楽しかったからだと言います。
それが徐々に様々なことからインスピレーションを受けるようになり、アイディアが沸き起こる度に絵を描くようになりました。
絵本の出版はお母さんのアイディア!
そして数多くたまった作品をカレブくんのお母さんが本にして出版してみてはどうかと思いつきます。
本を出版することで、いじめられてしまって自信を失ってしまった息子を勇気付けたかったの。
とカレブくんのお母さんは話します。
2012年カレンダーも発売されカレブくんの本はKindleでも読むことができます。
発達障害であっても自信を持って生きていってほしいと想うカレブくんのお母さんの願いは発達障害のお子さんを持つ親御さんなら、どなたでも感じることなのではないでしょうか。
そしてこのカレブくん親子ですが、病院での診断の中で、親子でアスペルガーであったことがわかったのです。
私たち親子も、親子揃ってアスペルガーですが、発達障害は遺伝要因も大きく関係しており、アメリカではお子さんの診断をする際のヒアリングで、親も発達障害であったことが判明することがあります。
発達障害の子どもは同じ年齢の子どもと比べてできないことも多く、壁にぶつかりやすいです。しかし、その壁をどう乗り越えて行くのか、お子さんにとって何が幸せなのか考え選択して行くことが大切になってきます。
カレブくんの製作した作品を形にしたいと願うお母さんの発想が生んだ絵本の出版。
発達障害の親子で歩む道は簡単な道のりではありませんが、やってみよう!と思う心と行動が大切なのかもしれませんね。
それでは!