自閉症スペクトラム、ADHD、学習障害などの発達障害のお子さんが成長していく過程で心配なことの一つに二次障害があります。
今回は二次障害とは何か。また大切な学童期に二次障害を起こさないためにどのようなことができるのかについてお伝えしていきます。
目次
発達障害による二次障害とは?
発達障害の子は周りの人から変わっていると言われたり、困った子だと思われてしまうことが多いですが、当の本人はなぜそう思われているのか理由がわからない場合が多いです。
学校生活などで自分では頑張ってやっているつもりでも周りから怒られたり、バカにされたり、笑われたりしてしまう子もいます。
このように発達障害の子どもたちは日々の生活の中で自尊心を傷つけられています。
そしてまさに周囲に受け入れてもらえないことによって起こる、自己否定こそが発達障害の二次障害を招くことに繋がっています。
二次障害には、
- 劣等感
- うつ症状
- 対人恐怖症
- 反抗心や攻撃感情
- いじめ
- 不登校
- 暴力
- 非行
などがあります。
1つずつ見ていきましょう。
劣等感
何をやっても周りの子と比べて自分はできないと感じてしまうことにより劣等感が生まれてしまいます。
劣等感が積もり、うつになってしまうこともあります。
発達障害の子どもは本来素直でまっすぐな子が多い為、傷つきやすくもあります。
うつ症状
劣等感や日々のストレスにより引き起こされます。
ストレスが大きくかかると頭痛や腹痛などに繋がることもあります。
対人恐怖症
自己否定されたことにより、人と会ったり、話すことへ恐怖を抱くようになります。
家から出られなくなってしまうこともあります。
反抗心や攻撃感情
お友達や周囲の大人からの否定により、反抗的な感情を抱くようになることがあります。
いじめ
いじめは受ける側も、してしまう側も両方見られます。心の行き場を見失ってしまっている可能があります。
不登校
うつ症状からくる朝起きられないといったことや、対人恐怖症などいくつかの原因が重なって、不登校につながってしまうことがあります。
暴力
自分を受け入れてくれる人が周囲にいなかったり、少ないことで、心が満たされないと暴力に繋がることがあります。
非行
非行は自身を受け入れてくれる居場所を求めている子によく見られる行為で、寂しさや孤独感から来るとも考えられています。
自己肯定感を高めてあげることが何よりも大切
二次障害が現れると目の前の問題行動の解決にばかりフォーカスしてしまうので、なぜその行動をとってしまうのか発達障害であるからという根本的なところが見えなくなってしまうことがあります。
ご家庭では問題行動につながる前に対策を立てることが大切です。
これら全ての二次障害を防ぐ方法として一番大切なことは発達障害の子の自己肯定感を高めてあげることです。
そして、自分は価値のある人間なんだと思える環境を周囲が作っていくことが大切です。
家庭だけでなく、学校や子どもを取り巻く全ての人の理解を得られることが理想です。
発達障害の子どものことを理解し、日本社会全体が発達障害を受け入れる環境を作っていくこと。
そして発達障害の人も社会に対応していけるよう、自分の個性や良いところを伸ばし、両者が歩みよることが大切です。
発達障害の子どもたちには優れた才能がある可能性が高いです。
だからこそ、私たち親にできることは子どもに寄り添い、力が発揮できるようサポートすることだと思うのです。
発達障害であることを受け入れ、どうしたらもっとお子さんが生きやすくなるのか、力を発揮することができるのかを考えて、一つ一つ取り組んでいくことが大切ではないでしょうか。
それでは!