近年、増え続ける発達障害を持つ子どもたち。
発達障害にはどのような種類のものがあるのでしょうか?
今回は、発達障害の種類とそれぞれの症状や特徴について詳しく紹介します。
日本で発達障害と診断される人は毎年増加しており、平成20年に8.8万人でしたが、平成26年には19.5万人と6年間で2倍以上に増えています。
それだけ同じ悩みや不安を抱えている人が年々増えています。
発達障害の子どもは今後も増加していくと見込まれています。
我が子の様子を見ていて、もしかしたら発達障害なんじゃないかと不安を抱えている親御さんもいるのではないでしょうか。
またご本人で調べてこちらのページにたどり着いた方もいるかもしれませんね。
まずは発達障害とは何なのか、知ることから始めましょう。
目次
発達障害の種類
発達障害は大きく分けると3つの種類に分かれます。
- ASD(自閉症スペクトラム)
- ADHD(注意欠如多動性障害)
- LD(学習障害)
ASD:自閉症スペクトラム
自閉症スペクトラムは「コミュニケーション」、「社会性」、「想像力と創造性」の3つに問題があるとされる発達障害の1つです。
自閉症スペクトラムは
- 自閉症
- アスペルガー症候群
- レット症候群
- 小児崩壊性障害
の総称です。
以前は別々に考えられていましたが、区別するボーダーが曖昧であるため、これらを総称し大きな枠組みとして捉える「スペクトラム」という捉え方に変わりました。
現在では、自閉症スペクトラムと呼ばれることが一般的になっています。
ただ、特性の強いものをわかりやすく示すために自閉症やアスペルガー症候群と別々の名称で呼ぶこともあります。
自閉症スペクトラムに多く見られる自閉症とアスペルガー症候群にはそれぞれ次のような特徴があります。
自閉症の特徴
・ コミュニケーションが苦手
・ 目を合わせない
・ 周囲に関心がないように見える
・ その場の空気が読めない
・ 言葉をあまり話さない
・ 予定外の行動が取れない
・ 1つのものに執着する
・ 落ち着きがない
・ 体を揺らしたり、手をひらひらさせたり反復行動が見られる
・ 知的発達に遅れが見られることがある(重度の場合)
アスペルガー症候群の特徴
・ コミュニケーションが苦手
・ 相手の気持ちを汲み取るのが苦手
・ 高度な言語スキル
・ 同年齢と比べて平均以上の知能
・ 特定の分野での強いこだわり
・ 特定のものに対して集中力がある
・ 言語発達と比べて不器用
自閉症とアスペルガー症候群の特徴をどちらも持ち合わせている場合もあります。
ADHD:注意欠如多動性障害
ADHDは注意欠如多動性障害と呼ばれ、大きく分けて「不注意優勢型」と、「多動性・衝動性優勢型」の2つのタイプに分けられています。
不注意優勢型の特徴
・ 気になる行動は目立たない
・ 忘れ物を良くする
・ ケアレスミスが多い
・ 集中力が低い
・ 整理が苦手、部屋がぐちゃぐちゃ
・ ぼーっとしていることが多い
多動性・衝動性優勢型の特徴
・ アクティブだけどいつもそわそわして落ち着きがない
・ 話しすぎておしゃべり
・ 待つのが苦手
・ 相手の話しに割り込む
・ 他人のものをとってしまう
・ 気に入らないことがあると乱暴になることがある
不注意と多動性・衝動性のどちらかの特徴が強く見られるケースが多いです。もちろんどちらの特徴も持ち合わせている場合もあります。
LD:学習障害
LDは学習障害と呼ばれ、「読字障害」、「書字表出障害」、「算出障害」の3種類に分かれています。
読字障害(ディスクレシア)の特徴
日本では人口の5〜7%、アメリカでは10〜15%いると言われています。
・ 読むのが苦手 全く読めないわけではなく、すらすら読むことが困難
・ 読み飛ばしや勝手読みが見られる
・ 文字を音に変換するのが苦手
・ 単語のまとまりを認識するのが苦手
・ 記号である文字の形や構成している部分を正しく認識できない
・ 文字がぼやけて見える
書字表出障害(ディスグラフィア)の特徴
男の子に多く見られます。男の子の出現率は女の子の約3倍です。
・ 書くのが苦手
・ 鏡文字を書く
・ 文字を雰囲気で書く
・ 文字を書くのに時間がかかる
・ 漢字を覚えるのが苦手
・ 文字の大きさバラバラでマス目からはみ出る
算出障害(ディスカリキュア)の特徴
・ 計算が苦手
・ アナログ時計を読むのが苦手
・ 数の大きい小さいがよくわからない
・ 暗算ができない
・ 図形やグラフの読み取りが苦手
発達障害の症状は一人一人違う
発達障害の症状は軽度のものから重度のものまであります。
すべての特徴には当てはまらないから、やっぱりうちの子は違うのかな?と思ったり、また子どもだから現れる行動なのでは?と発達障害なのかどうか判断できず困っている親御さんもいらっしゃると思います。
実際のところ一人一人に違いがあり、特徴や症状のうちすべてが当てはまるわけではありません。
娘が通うアメリカの学校には発達障害の子どもたちが多く在籍していますが、同じアスペルガー症候群でも娘と他の子を見ていると違いがあります。
また同じADHDの多動性・衝動性優勢型の子でも程度によって、授業中じっとしていることが苦痛で座っていられず、動き回ってしまう子もいれば、我慢すれば座っていられる子もいます。
このように特徴にきれいに当てはまるわけではないので、診断の際は医者や、専門家のカウセリングを受けるなど多角的に見てもらうことが大切です。
また診断の『グレーゾーン』と呼ばれる顕著に発達障害の症状が見られないケースもありますので、不安な場合は一度相談機関に行かれてみるのをおすすめします。
お子さんが発達障害かもしれないと疑ったら、行動したいことついてはこちらの記事をご覧ください。(日本での対応)
わが子が発達障害かも?と思ったら 行動したい5つのこと
発達障害は「脳の特性」
日本では発達障害は字を見てもわかるように「障害」というマイナス面を捉えてしまいがちです。 しかし、発達障害は「脳の特性」です。
マイナス面はありますが、そもそも脳の作りが違うため、他の人とは違う「プラスの才能」にも恵まれていることが多くあります。
発達障害の子が持つ才能について今後もお伝えしていきます。
それでは!
普段の生活の中から見える発達障害の子どもの特徴についてはこちらの記事をご覧ください。
発達障害の子どもは寝ない!?発達障害の子にみられる8つの特徴