自閉症スペクトラム(自閉症、アスペルガー症候群)はコミュニケーション、社会性、想像力の3つに問題があるとされている発達障害ですが、少し前まで心の病気と誤解されていました。
自閉症スペクトラムをはじめ、発達障害は心の病気ではなく、生まれつきの脳の機能障害によるものです。
原因はいくつか考えられますが、その1つに遺伝があります。今回は自閉症スペクトラムと遺伝の関係性についてお伝えしていきます。
同家系に発症する確率が高い!
いくつかの研究により、自閉症スペクトラムの発症には遺伝子の発現の異常が関係していることがわかっています。
家族や双子を対象にした発現の研究では同家系に発症する確率が高いという結果が出ています。
双子の中でも同じ遺伝子を100%共有している一卵性双生児では二人とも自閉症スペクトラムを発症する確率は50~99%であり、遺伝子を50%共有している二卵性双生児や兄弟では二人とも発症する確率は5~10%であることがわかっています。
兄弟よりも一卵性双生児の方が二人とも自閉症スペクトラムである可能性は高くなります。
また両親のうち片方または両方が自閉症スペクトラムの場合、子どもへの発症率が高くなります。
私たち親子の場合は?
私たち親子はまさに遺伝に当てはまっており、親子でアスペルガー症候群です。
私たち親子の場合は娘がアスペルガー症候群であることが診断からわかり、親である私もその傾向があることが専門機関を通じて判明しました。
もちろん親子だからといって100%遺伝するわけではありません。
同家系に発症することが多いということでしたが、自閉症スペクトラムは自閉症の親から自閉症の子が生まれるとは一丸には言えず、自閉症の親からアスペルガーの子が生まれることもあります。
育つ環境が大切!環境要因で二次障害に繋がることも
発症の原因のうち遺伝と合わせて環境要因もよく挙げられていますが、環境要因はどちらかというと二次障害の発症に関係してくるのではないかという説が濃厚です。
二次障害には次のようなものがあります。
劣等感、うつ症状、対人恐怖症、反抗心や攻撃感情、いじめ、不登校、暴力などです。
発達障害における二次障害の大きな原因は、できないことにばかりに注目されてしまうことで起こります。発達障害の子は周囲の人々によって注意をされたり、怒られることも多かったりで自己肯定感を奪われていきます。
自己肯定感が低い子に育つと自分はできない子なんだと思うようになり、これにより様々な問題が学童期以降(6歳~)生じ始めます。
発達障害の二次障害を起こさないためにも、育つ環境を幼いうちから考えていかなくてはなりません。
いかがでしたか?
私たち親子が住むサンフランシスコやシリコンバレー周辺には親子で発達障害でありギフテッドである人たちが多くいます。
もちろんグレーゾーンの人も含めてですが。
そういった、親子や兄弟を見ているということもあり、遺伝説は濃厚なのではないかと思います。
発達障害の発症の原因は少しずつ解明されてきていますが、まだまだ研究の余地があります。
これからも新しい発見がありましたら、このサイトを通じてお伝えしていきます。
それでは!