お子さんの様子を見ていて、周りの子と発育の様子が違うなと感じていたり、もしかしたら発達障害かもしれないと不安を感じているお父さん、お母さんへ。
育てにくいと感じる原因は発達障害によるものかもしれません。
アスペルガー症候群は発達障害の1つです。
子どものアスペルガー症候群にはどのような特徴があるのか、家庭でも簡単にセルフ診断チェックができるよう特徴を解説していきます。
さっそく見ていきましょう。
目次
アスペルガー症候群とは?
アスペルガー症候群は自閉症スペクトラムに含まれ、広い意味での「自閉症」の仲間です。
・コミュニケーションの障害
・対人関係・社会性の障害
・パターン化した行動、興味・関心のかたより
があるものとされています。
言語障害があるものが自閉症、言語障害や知能遅れもないのがアスペルガー症候群とされています。
アスペルガー症候群は自閉症のように、幼児期に言葉の発達の遅れがないため、発達障害であることがわかりにくいのですが、成長とともに不器用さがはっきりすることが特徴です。
アスペルガー症候群の特徴
アスペルガー症候群には次のような特徴があります。
□ 対人関係が苦手
□ 相手の気持ちをくみとるのが苦手
□ 失礼な発言をしてしまう(天然と言われることも)
□ 周囲から浮いてしまう
□ コミュニケーションをうまくとれない
□ 同年齢と比べて平均以上の知能
□ 想像力に乏しく、切り替えが苦手
□ 目の前にないものは理解しにくい
□ 急な予定変更が苦手
□ 毎日決まった習慣を繰り返す
□ 興味感心の範囲がせまくこだわりがある
□ ものや情報を収集するのが好き
□ 集中力がないが、一方興味を持ったことに対しての集中力は極めて高い
□ 視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚などの感覚敏感が見られる
特定のものへのこだわりが強く、予定変更など予測できないことが起こるとパニックになることがあります。
年齢別〜対人関係・社会性を見る診断チェックポイント〜
年齢ごとに見られる対人関係・社会性を見る診断チェックポイントを紹介します。
乳児期、幼児初期:0〜3歳
□ ひとりにされても泣かない
□ あやしても笑わない
□ 親のあと追いをしない
□ 親のまねをしない
□ 指さししても興味を示さない
□ 視線を合わせない
□ 名前を呼んでも返事をしない
幼児期:3〜5歳
□ ひとりで遊ぶことが多い
□ ごっこ遊びが苦手
□ 友だちに自分のオモチャを見せない
□ 自分の好きな遊びをしたいと主張する
□ さまざまなこだわりが出てくる
学童期:6〜12歳
□ マイペースな行動が目立つ
□ 友だちと遊んでも、他に興味が移ると平気で抜けてしまう
□ 相手の気持ちや状況を考えない
□ 感じたままをストレートな言葉であらわす
□ 学芸会や運動会などの練習が苦手
□ 一方的に話しつづける
引用:「じょうずなつきあい方がわかる 自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の本」宮本信也/主婦の友社(2016/9/20)
自閉症スペクトラムは3歳までに診断を確定することは難しく、3歳を過ぎた頃から診断が可能になります。
親も気づけないグレーゾーンの子どもたち
アスペルガー症候群は対人関係やコミュニケーション全般を苦手とする発達障害ですが、中にはコミュニケーションを問題なくできてしまうアスペルガー症候群の子どももいます。
人と目を合わせれらないわけでもないし、会話ができないわけでもない。
こういった子どもたちは診断のグレーゾーンであり、「隠れアスペルガー」とも呼ばれています。
日本には40~50人に1人いるといわれています。
隠れアスペルガーは親も気づかないことがあります。
隠れアスペルガーはADHDとアスペルガー症候群の両方を併せ持っていることが多いです。
ただ、ADHDとアスペルガー症候群の特徴全てに当てはまることはありません。
アスペルガー症候群の特徴の一部分はぴったり当てはまるけど、全く当てはまっていない特徴も持ち合わせています。
そのため、やっぱりうちの子は違うのかなと思い、確信を持てずにいる親御さんがいます。気になった際は一度専門家に診てもらうのがいいでしょう。
というのも、隠れアスペルガーであったことに気づかず、学童期以降に二次障害で精神疾患を発症してしまう子がいるからです。
また、大人になってから周囲との違いや違和感を募らせて、生きにくさを感じつまずいてしまう、大人の隠れアスペルガーが世界的にも多く存在しており社会問題にもなっています。
アスペルガー症候群の子に見られる才能!
アスペルガー症候群は発達障害だけれども、能力が高いという話を耳にしたことがあるかもしれません。
アスペルガー症候群には特有の能力と魅力があります。
- IQが高い
- 学習能力が高い
- 論理的に考えるの得意
- 視覚から入る情報の記憶力が優れている
- 真面目である
- 向上心が強い
- 純粋である
- 算数が得意(数字に強い)
- 高度な言語スキル
- 物事を多角的に捉え、観察力に優れている
アスペルガー症候群の子どもはギフテッド!?
アスペルガー症候群の子どもはギフテッド(=才能に恵まれた子)である可能性が高いため、才能を伸ばせる環境作りをしてあげることが大切です。
日本ではアスペルガー症候群などの発達障害の子どもは普通学級か、特別支援学級のどちらかに入ることになります。
しかし、学力の高いアスペルガー症候群の子どもからすると、同学年の勉強以上のものをやらないと逆に不満を感じることがあります。
アメリカのように、飛び級制度やギフテッドの学校が日本にはまだないため、学習能力が高い様子が見られたら、ぜひ得意分野が伸びるよう家庭でプラスの教材をお子さんにプレゼントしてみてください。
もちろん勉強だけでなく、音楽や運動面で優れた才能を持っていることもありますので、お子さんが喜んで楽しみながら自然と やるものを与えてあげてください。
その分野に才能が隠れている可能性が高いでしょう。
できないことばかりに目を向けず、発達障害だと診断されてもむしろ長所を見つけ、良いところや才能を長期的に伸ばしてあげることが私たち親にできることのひとつでもあります。
苦しいのは親御さんもお子さんも同じですからね。無理はせず一つ一つできることからまずははじめていきましょう。
それでは!
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