特別な才能を持つ「ギフテッド」とは?発達障害との大きな関係性

ギフテッド

みなさんは「ギフテッド」ということばを聞いたことがあるでしょうか?

日本ではまだあまり馴染みのないことばですが、発達障害の子の中にはギフテッドと呼ばれる特別な才能を持っている子どもがいます。

今回はお子さんがアスペルガー症候群や自閉症、ADHD、学習障害などの発達障害と診断され、これからの生活や未来に不安を抱えている親御さんにこそ読んでいただきたい内容です。

では、早速ギフテッドについて、さらにギフテッドと発達障害の関係性についてみていきましょう!

天から授かった才能!ギフテッドとは?

ギフテッドのことばの由来

ギフテッド(gifted)はよく社会では、天才児といわれることがあります。

ことばの由来は贈り物を意味する英語のギフト(gift)が語源となっています。

ギフテッドは「神や天から授かった才能を持つ人」という意味で、「生まれ持った才能」のことをいいます。


ギフト

ギフテッドの定義

では、ギフテッドは具体的にどのような子どものことをいうのでしょうか?

実は、ギフテッドの定義は国や地域によってもさまざまあり、現在統一されたものはありません。

アメリカでは州ごとでも定義が異なります。

ここでは全米連邦政府の定義をご紹介します。

<全米連邦政府の定義>

ギフテッドとは、知性、創造性、芸術性、リーダーシップ性、または特定の学問での偉業を成し遂げる能力のある個人を指す。
またその能力を開花させるために特別なサポートを必要とする個人を指す。

引用:初等中等教育法/落ちこぼれ防止法より



子どもの頃、学校で一見他の子と違い変わってるなと思うような子で、絵がとても上手だったり、植物についてすごく詳しかったり、計算が飛び抜けて得意だったりという子がいませんでしたか?

そういった子はギフテッドであった可能性が高いです。



お子さんの普段の様子を見ていて、「うちの子もギフテッドかもしれない。」と心当たりのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

ギフテッド才能6つの分野

才能

ギフテッドはIQが高い子のことだけを指しているわけではありません。

ギフテッドの要素は次の6つの能力の分野に分かれており、同年齢の子どもと比べてどれか1つの分野で突出した才能を持っていればギフテッドといえます。


<ギフテッドの6分野>

1知性


2創造性


3芸術性


4リーダーシップ


5特定の学問


6運動能力

引用:「アメリカ ギフテッド教育最先端に学ぶ 才能の見つけ方 天才の育て方」石角友愛/ 文藝春秋(2016//6/30)



ギフテッドの子どもは一般的に1つまたは2つの分野で才能を持っています。

それぞれの分野でギフテッドの子どもはとても熱心に情熱的に取り組みます。

1知性

・抽象的概念を理解する

・複雑な方法で情報を処理する

・観察力が鋭い

・新しいアイディアに興奮する

・仮説をたてるのを楽しむ

・学ぶのが早い

・語彙が豊富

・なんでも知りたがる

・物事を自発的に始められる

2創造性

・一人で物事を考えられる

・口語及び文章で、独自の意見を披露できる

・与えられた課題に対して複数の解決策を打ち出す

・ユーモアのセンスがある

・ものを作り、発明する

・クリエイティブな課題に対して興奮する

・即興で問題に対処できる

・他者と違うことを気にしない

3芸術性
・空間把握能力に非常に長ける

・ダンス、演劇、音楽などで自己を表現する能力が非常に高い

・バランスのとれた感覚

・クリエイティブな表現力

・独自の作品をつくることにこだわる

・優れた観察力

4リーダーシップ
・責任を理解する

・自分と他人に対して厳しい

・流暢で明確な自己表現能力

・物事の選択に対しての結果や意味合いを予知する

・決断力がある

・組織、チームが好き

・仲間に好かれる

・自分に自信がある

・整理整頓能力がある

5特定の学問
・優れた記憶力

・発達した理解力

・基礎的な知識を素早く習得する

・特定の興味のある分野での優れた学業の功績

・情熱と根気を持ち、特定分野で邁進する

6運動能力 
・難しいアスレチックなどの技などに興奮する

・運動における正確性、緻密性がある

・様々な体育の活動を楽しむ

・優れた運動神経

・優れた操作能力

・高いエネルギーレベル

引用:National Society for the Gifted & Talented   http://www.nsgt.org/giftedness-defined/
 

発達の凸凹「2E」とは?

2e私たち親子は親子揃ってアスペルガー症候群であり、娘は検査やカウンセリングを受けた結果IQ146のギフテッドであることがわかりました。

娘のように発達障害とギフテッドの両方を併せ持った子のことを「2E(twice-exceptional)」と呼んでいます。

2Eの子どもは発達の凸凹が大きく見られ、突出してできる才能の部分とどうしても苦手とする部分を持っています。

具体的にはアスペルガー症候群は、人とのコミュニーケーションを苦手としています。

相手の気持ちをくみ取ることができず思ったことをそのまま口にしてしまうといったことが見られます。

空気が読めない子や変わった子としてクラスでいじめにあってしまう子がいるのも事実です。

2Eの子は、発達障害と才能の分野の両方で特別な教育支援が必要とされます。

「2E」の子を育てる上で知っておきたい最も大切なこと


2e現在、私たち親子が住んでいるのはサンフランシコですが、アメリカの特に都市部では、発達障害やギフテッドに対しての教育支援サポートが充実しています。

日本では教育支援サポートの実例は少ないのですが、アメリカでは才能を伸ばすために公立学校、私立学校ともにギフテッドのための体感型の教育カリキュラムが組まれています。

成長していく中で、社会に適応するため、苦手なところを練習してできるようにしていくということももちろん大切です。

ただ一方で、2Eの子どもを育てる上で大切なことは、得意分野に最大の注目を向け、その点をどうやって伸ばしていくかが鍵になってきます。

アメリカのギフテッドへの教育は本人が好む好きな分野を探求しいくことで、さらに得意になり好きになっていく。

そして好きなことを続けていくうちに知識がどんどん豊富になり天才と呼ばれるところまで成長していきます。

ギフテッドは理解力に長けている子が多いため、その成長は驚くべきものです。

娘は現在10歳ですが、学校では大学レベルの数学を勉強しています。

世界中の「2E」の人々が集結!ギフテッドの街シリコンバレー

シリコンバレー
サンフランシコの隣、シリコンバレーはApleeやGoogle、Facebookの本社があり世界のIT業界の中心となっている場所です。多くのシステムや文化を変えた製品がシリコンバレーの企業から生まれています。


そしてシリコンバレーのこれらの企業を支えている天才プログラマー達は実は発達障害を併せ持っている人が多くいます。



Apleeの創業者スティーブ・ジョブズやMicrosoftの創業者ビル・ゲイツも発達障害であったといわれています。



アメリカのある調査では、”アスペルガー症候群のうち67%は優れた才能に恵まれている”という調査結果も出ています。

限りない可能性を発達障害を持つ子どもたちは秘めているのです。

いかがでしたか?

発達障害の子どもが持つ、才能の可能性について見えてきたのではないでしょうか?

また、発達障害に対しての認識が変わった方もいるのではないかと思います。

日本でも発達障害でありギフテッド(2E)の子どもたちの存在がこれからますます広まっていくことでしょう。

それでは!

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