赤ちゃんの泣き声を翻訳!アプリで自閉症の早期発見も

赤ちゃんの泣き声を翻訳!アプリで自閉症の早期発見も

赤ちゃんがなぜ泣いているのか。泣き声だけで、泣いている理由がわかったらとても助かるのに。そう思ったことのある親御さんは多いのではないでしょうか?

赤ちゃんの泣き声をアルゴリズムによって解析し、人工知能(AI)によって「泣いている理由」を教えてくれる無料アプリがあります。

その名もChatterbaby」。

Chatterbaby」はなぜ赤ちゃんが泣いているのかだけでなく、自閉症の早期発見にも期待が寄せられているアプリです。

アプリ開発は3人の子を育てた研究者から生まれた!

アプリの開発は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のコンピューター神経心理学者アリアナ・アンダーソンさんによるものです。

アンダーソンさんは第1子が生まれた時、赤ちゃんがなぜ泣いているのかわからず、泣き声を解釈するのにとても苦労しました。

しかし、第3子が生まれる頃には、赤ちゃんの泣き声を聞き分けられるようになっており、どの泣き声が、お腹が空いたなのか、おむつを替えてなのか、痛みを訴えているものなのかわかるようになったと言います。

そして、この子育ての経験から、赤ちゃんの泣き声のアルゴリムを解析することで、新米の親や耳が聴こえない親、赤ちゃんの夜泣きに悩まされている親に役立てることができるのではないかと考えました。

1700人の赤ちゃんの泣き声から「Chatterbaby」が誕生

Chatterbaby

5年の歳月を費やし、アンダーソンさんは1700人を超える赤ちゃんのあらゆる泣き声を分析。

無料アプリ、人工知能翻訳機「Chatterbaby」が完成しました。

仕組みとしては、赤ちゃんの泣き声から、周波数の変化や「無音と音」の比率のパターンを解析し、赤ちゃんが泣いている理由を教えてくれるというものです。

現在、翻訳できるのは、

  • 空腹
  • 不機嫌
  • 痛み

の3種類となっています。

Chatterbaby

解析が進めば、自閉症の早期発見につながる可能も!?

Chatterbaby」はアプリを使用する際に、研究同意書にサインをします。

赤ちゃんの泣き声をデータとして集め、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究チームでさらに研究を進めるためです。

もちろん、泣き声は個人が特定されないように保存されます。

アプリを使う人が増えれば増えるほど、研究データとして集められ、分析が進むというシステムです。

そしてこの研究は子どもの自閉症の早期発見にもつなげています。

膨大なデータが集まることで、泣き声から自閉症のシグナルを見つけ出すことができるのではないかと考えています。

自閉症は赤ちゃんの時に発見、診断することは難しく、3歳から6歳ごろとされています。

早期に自閉症の傾向がわかることで、必要な支援を早く受けることできるようになると期待されています。

自閉症の発見については、医療格差も大きく関係しており、アンダーソンさんは自閉症の研究が社会経済的に恵まれた白人層で実施されている点を指摘しています。

実際に、自閉症と診断される時期について、有色人種の子どもは白人の子どもと比べて1~2年遅いと言われています。

人工知能翻訳アプリ「Chatterbaby」は医療格差も超えて自閉症の早期発見をテーマに研究を進めています。

アプリは現在、英語とスペイン語の仕様となっており、日本語はありません。

今後、日本でも「Chatterbaby」の日本語版や、このようなアプリの開発が進むことを願っています。

それでは!

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